使わないと損する?不動産売却で一括査定を利用するメリット・デメリットまとめ

不動産査定
執筆者
逆瀬川勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。
保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士

不動産の売却を考えるのであれば、最初に不動産会社に価格査定を依頼するところから始まります。価格査定は直接不動産会社に連絡してもよいですが、一括査定を利用すると手間なく複数の会社に依頼できて便利です。

しかし、一括査定の利用にはメリットがある一方でデメリットもあります。本記事では、不動産売却で一括査定を利用するメリットやデメリットなどお伝えしていきます。

不動産一括査定とは?

不動産の売却では、最初に不動産会社の価格査定を受けることになります。不動産一括査定を利用すると、一度に複数の会社から査定結果を聞くことができ、1社1社査定依頼を出す手間を省くことができます。

一括査定サービスの仕組み

不動産一括査定は、一括査定サイトを通して売却したい不動産の情報を入力すると、その不動産の周辺にある不動産会社の紹介を受けることができます。この時紹介を受けられる会社は、一括査定サイトと提携している不動産会社です。

また、基本的に一括査定サイトの役目は「不動産会社を紹介する」までで、紹介を受けた不動産会社は、紹介後、自由に営業活動を行います。

なお、不動産会社は一括査定サイトに「月額固定○○万円」や「紹介1件あたり○○万円」、「成約1件あたり○○万円」などの報酬を支払います。これは、不動産会社がチラシを打って集客するのと同様、広告費の一環であり、利用者がお金を請求されることはありません

売却査定は複数社に依頼すべき理由

不動産一括査定を利用すると、売却不動産の情報を入力するだけで複数社に査定を依頼することができます。

不動産一括査定を利用するにせよ、しないにせよ、不動産を売却するのであれば複数の不動産会社に価格査定を依頼することをおすすめします。

これにはいくつかの理由があります。

査定額が比較できる

不動産の売却は多くの方にとってそう何度も経験できるものではありません。

一方、不動産の査定額は不動産会社によって異なることが多いです。1社にしか査定を依頼しない場合、その不動産会社が提示する査定額が正しいかどうかの判断は難しいでしょう。

こうしたことから、売却査定を依頼するのであれば複数の不動産会社に依頼して、査定額を比較しながら媒介契約する会社を決めるとよいでしょう。

不動産会社の比較ができる

また、査定結果を聞く時は査定額を聞くだけでなく不動産会社も比較することが大切です。査定額の提示を受けた後、不動産会社と媒介契約を結ぶと、後はその不動産会社が売却活動を行っていきます。

後々、スムーズに売却活動を行っていくためにも、媒介契約前に、こちらからの質問に素早く的確に対応してくれるかどうかなど確認するようにしましょう。

不動産一括査定を利用するメリット・デメリット

ここでは、不動産一括査定を利用するメリット・デメリットをお伝えしていきます。

不動産一括査定のメリット1:手間がかからない

先述の通り、不動産の売却査定では複数の不動産会社に査定依頼すべきですが、1社1社不動産会社を探して連絡していくのは手間がかかります。一方、不動産一括査定を利用すると売却不動産の情報を入力するだけで複数の不動産会社に査定依頼を出すことができます。

不動産一括査定のメリット2:売却不動産に適した会社を紹介してもらえる

一般の方で普段から不動産会社と付き合いのあるという方はそう多くないでしょう。いざ不動産の売却査定を依頼しようと思っても、どの不動産会社に連絡すればよいか分からないということも多いはずです。

しかし、不動産一括査定を利用すると、提携会社の範囲内で売却不動産に適した会社の紹介を受けることができます。

一口に不動産会社と言っても、ファミリータイプのマンション売却を得意とする会社、一戸建て売却を得意とする会社などさまざまあります。その中で、売却不動産と同じタイプの不動産売却を得意とする会社の紹介を受けられるという点で大きなメリットとなります。

不動産一括査定のメリット3:相場を把握できる

不動産一括査定を利用すると、複数の不動産会社から査定額の提示を受けることができ、その中で売却不動産の価格相場を把握することができます。不動産の価格相場は、自分で周辺物件の価格を比較するなどして調べることもできますが、不動産会社の価格査定を受ければ、簡単に相場を聞けます。

ただし、1社からしか価格相場を聞かないと偏りが生まれる可能性があります。一番おすすめなのは、自分で相場を調べた上で、複数の不動産会社に査定額を聞くことです。

こうすれば、かなりの精度で正しい相場観を把握できるようになるでしょう。

不動産一括査定のデメリット1:地方だと活用しづらいことがある

一方、不動産一括査定にはデメリットもあります。まず、不動産一括査定で売却不動産の情報を入力して紹介を受けられるのは、売却不動産の住所に近い不動産会社の内、その一括査定サイトと提携している不動産会社だけです。

このため、都心では多くの不動産会社の紹介を受けられやすいですが、地方だと満足に紹介を受けられないことがあります。

一括査定会社によって、都心など一定の地域に特化したものや、地方でもある程度紹介を受けられるものがあるため、地方での利用の場合は事前に調べた上で利用する会社を決めるとよいでしょう。

不動産一括査定のデメリット2:しつこく電話営業されることがある

先にお伝えした通り、不動産一括査定を通して売却不動産の情報を入力すると、不動産会社の紹介を受けることができますが、紹介を受けた後、不動産会社は自由に営業活動を行います。

このため、不動産会社によってはしつこく電話営業されることもあることに注意が必要です。

不動産一括査定を匿名で利用することもできる

不動産一括査定を利用すると、複数の不動産会社に個人情報を渡すことになり、不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。複数の不動産会社から勝手に電話営業されることに不満を感じることもあるはずです。

そうした方には、「簡易査定」限定ですが、匿名で一括査定を依頼できるサービスもあるので、利用を検討してみるとよいでしょう。

簡易査定と訪問査定

匿名査定では依頼者の情報を伝えないため、立ち会いの必要がない簡易査定限定となります。不動産査定には、書類上の情報だけで査定する簡易査定(机上査定ともいいます)と、実際に現場を訪問して査定する訪問査定(詳細査定ともいいます)があります。

より精度の高い査定を受けるのであれば訪問査定を受ける必要がありますが、「まずは大まかに査定価格を知りたい」といった程度であれば簡易査定でもよいでしょう。

とくにマンションの場合、査定価格の根拠となる類似物件の情報を得やすく、簡易査定でも比較的精度の高い査定を受けることができます。

一方、一戸建ての場合は個別性が高く、現地を見た上で査定額の提示を受けるべきだといえます。

不動産一括査定を利用する際の注意点

不動産一括査定を利用するには注意点があります。

相場より高い査定額を出す会社がある

不動産一括査定を不動産会社側から見ると、常にライバルが複数社いることになります。査定の結果、不動産会社が利益を得るには売買契約を成約させる必要がありますが、その前に媒介契約を結ばなければなりません。

このため、不動産会社によってはライバル社に負けないために、あえて相場より高い査定額を出す会社もある点に注意が必要です。こうした会社と媒介契約を締結してしまうと、相場より高い価格での売却開始なのですから基本的に売買契約は決まりません。

また、売買契約が決まらないと値下げをせざるを得ません。不動産の売却は情報が出始めてからすぐの頃が一番売れやすく、時間が経つごとに売れづらくなっていきます。

相場より高い査定額を提示する不動産会社と媒介契約を結ぶことで、売却にムダに時間がかかってしまうだけでなく、最終的には相場より低い価格での成約となってしまう可能性が高くなるのです。

不動産情報サイトのマネタイズで最も一般的なのは、いわゆる「(売却の)一括査定」による送客ビジネスです。売主は1回の情報入力で複数の不動産会社へ査定依頼が出せるので、とても気軽ですし便利なサービスだと思います。また、不動産会社側も売主獲得の集客導線として重要な役割となっています。

「一括査定」のビジネスモデルは10社前後の不動産会社へ一斉に査定依頼が送られるため、不動産会社は多数のコンペとなるため、相見積もりの競争に巻き込まれ、来店してほしいがために高い見積もりを出しがちになる傾向があるそうです。

一方で、10社前後の見積もりを受け取る売主は、高い査定をする不動産会社を選んで商談を始めるものの、その見積り額は市場の相場価格と大きく離れてしまっている場合もあります。そのため、実際に商談してみると、いろいろな理由によって評価額が下げられてしまい、期待値との乖離が生まれてしまいます。

加えて、買い手は少しでも安く買いたいので、強気な値付けでは買い手がつかず、要望を受けてさらに価格を下げることもありうる。売主にとっては、自分の物件の適正な価格はいくらなのかがわからない状況で物件の売却をしなければならないのです。

引用:物件リアルタイム査定「IESHIL」、参入から1年で感じた不動産業界の変化 – CNET Japan

査定額・売却価格・成約価格の違い

不動産会社に査定を依頼するにあたり、査定額と売却価格、成約価格の違いについて把握しておきましょう。不動産会社に査定を依頼すると「査定額」の提示を受けますが、その不動産会社と媒介契約を結んだとしても、最終的に売り出しを開始する「売却価格」は売主が決めます。

また、「売却価格」は売却期間中、売れないでいると値下げをしていく必要があります。最終的に買主との間で売買契約が決まった時の価格は「成約価格」となります。

不動産一括査定サイトの選び方

不動産一括査定にもたくさんの種類がありますが、その中からどのように選ぶとよいのでしょうか。

対応エリアの確認

不動産一括査定は、サイトごとに対応エリアが異なります。まずは、自分の売却するマンションのエリアが対応しているかどうかを確認しましょう。

提携不動産会社数の確認

サイトごとに提携不動産会社数も異なります。対応エリア内であっても、十分な数の提携不動産会社がなければ複数社の紹介を受けられないこともあります。

また、該当エリアにおいて豊富な数の提携不動産会社があれば、その中でより条件のよい不動産会社の紹介を受けられる可能性が高まります。

とはいえ、会社数だけではなく質も大事なので、利用者の口コミなども見ながら決めていくことをおすすめします。

同時依頼数の確認

不動産一括査定サイトによって、一度に依頼できる不動産会社数が異なります。

たくさんの不動産会社に査定を依頼できれば、それだけよい不動産会社を選べる可能性が高まるといえますが、一方でそれだけ手間が増えてしまいます。

「最低でも〇社は紹介を受けたい」または「最高でも〇社程度に抑えたい」などと、方針を決めてから選ぶとよいでしょう。

不動産一括査定とインスぺ買取の違い

ここまで不動産一括査定についてお伝えしてきましたが、最後に既存の不動産一括査定サービスと、Non Brokers株式会社が運営する【インスぺ買取】との違いをお伝えします。

戸建て「買取」専門

不動産一括査定は不動産のタイプに関わらず査定を依頼することができますが、インスぺ買取は「戸建て」の「買取」専門です。

売却する不動産がマンションである場合は、不動産一括査定を利用するしかありませんが、インスぺ買取は戸建て買取に特化している分、一戸建ての場合はよりよい条件で売却しやすくなります。

仲介と買取の違い

不動産一括査定は「仲介」による売却で、インスぺ買取は「買取」による売却です。

仲介は、一般の個人を相手に不動産を売却するもので、買取は不動案業者に不動産を売却します。

買取には「条件がまとまればすぐ売却できる」といったメリットがありますが、不動産を買い取った業者が再販することを前提に、仲介より安い価格での売却となるのが一般的です。

買取相場より高く売却

インスぺ買取は、登録した物件に対して「全国の不動産会社による入札」という形で売却価格が決まるため、買取相場より高い価格での売却としやすいです。

入札の多く集まるよい物件であれば買取のデメリットである価格面の問題を解決できるといえます。

電話営業がない

入札の結果、売主が売却を決意したら、入札した会社と売却交渉権を獲得できます。

こうしたシステムのため、運営会社から電話があるのみで、複数の不動産会社から電話営業や訪問営業を受けるような心配はありません。

その他、不動産一括査定では仲介手数料がかかる、インスぺ買取ではかからないなど、インスぺ買取にはメリットも多いです。一戸建ての売却を考えているのであれば、まずはインスぺ買取の利用を検討してみるとよいでしょう。

戸建の売却ならインスぺ買取、それ以外の不動産売却なら不動産一括査定

不動産一括査定の基本的な仕組みやメリット・デメリットなどと共に、インスぺ買取との違いなどお伝えしました。インスぺ買取は、戸建てに特化している分、戸建ての売却においてはよりよい条件で売却しやすくなっています。

一方、不動産一括査定は不動産のタイプの関わらず査定を依頼できます。売却査定は、基本的に複数の不動産会社に査定を依頼すべきなので、戸建ての場合はインスぺ買取、それ以外の不動産売却であれば、不動産一括査定を利用するといった形で使い分けることをおすすめします。

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