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訳あり・事故物件は売却できる?注意点や法律を解説

親族が住んでいた、もしくは人に貸していた物件で事件や事故が起きてしまった場合、事故物件となり売却しようにも買い手がつきにくくなってしまうことがあります。こうした場合、どのように対処するとよいのでしょうか。

本記事では、そもそも事故物件とはどういうものか法律的観点も交えながら解説するとともに、事故物件売却時の注意点や売却時のポイント等お伝えしていきます。

このページの目次
1.
事故物件は売却できる?
2.
事故物件とは?
3.
売却時に気を付けておきたい「瑕疵担保責任」と「告知義務」
4.
事故物件を売却する方法
5.
事故物件売却時の注意点
6.
事故物件は不動産会社に直接買い取って貰うのもあり
7.
まとめ

事故物件は売却できる?

事故物件とは、家の中で人が亡くなってしまった場合など、事件や事故の起こった家のことです。事件や事故の起こった家には気持ち的に住みたくないものでしょう。とはいえ、手放そうにも事故物件を欲しいと思う方も少ないのが普通です。

そもそも、事故物件を売却できるかどうかについては、「売却できないことはありませんが、相場よりかなり安くなる」ことを覚悟しなければなりません。

なお、一言で事故物件といっても、どのような状況かによって売却のしやすさも変わります。

次の章以降で、事故物件の定義や種類について見ていきましょう。

事故物件とは?

事故物件とは具体的にどのような物件のことを指すのでしょうか?

事故物件の定義

事故物件には具体的な定義はありませんが、一般的には物件の中で殺人事件や自殺、孤独死、事故死などが起こった物件のことを指します。

物件を売買する時には、売主から買主に事故に関して告知する義務があり、告知義務に該当するものを事故物件と考えてもよいでしょう。

なお、告知義務には、室内で殺人事件が起こったといった分かりやすいものもあれば、建築工事中に複数戸あるアパートやマンションの共用部分から飛び降り自殺したような物件もあります。

その他、以下のようなケースでも告知義務が生じます。

  • 敷地内の駐車場ので死亡事故が発生した
  • 室内で孤独死していた
  • マンションのエレベーターの不具合で死亡事故が発生した

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2019.10.07

売却時に気を付けておきたい「瑕疵担保責任」と「告知義務」

事故物件の売却については「瑕疵担保責任」「告知義務」について知っておくとよいでしょう。

瑕疵担保責任とは

瑕疵担保責任とは、物件の売却後、買主が物件に関する瑕疵(簡単に言うと欠陥)を見つけた場合、売主に対して損害賠償請求や契約解除できるものです。

事故物件であることを告げる告知義務は、この瑕疵担保責任と関連があります。

つまり、事故物件であることを知りながらそのことを告げず、買主が売買した物件に引っ越した後に事故物件であるという瑕疵を発見した場合、損害賠償請求や契約解除できるのです。

なお、瑕疵担保責任は民法で「瑕疵を知ったときから1年以内」に限り請求できるとされていますが、これでは売主がいつまで経っても安心できません。

そこで、「物件を引き渡したときから3カ月以内」などと特約で期間を定めるのが一般的です。

ちなみに、「瑕疵担保責任を問わない」とする特約も可能ですが、売主が知りながら告げなかった瑕疵がある場合には、特約は無効となります1

なお、どのようなことが瑕疵に該当するかについては「物理的瑕疵」や「法律的瑕疵」、「心理的瑕疵」などに分けて考えることができます。

物理的瑕疵

物理的瑕疵とは、屋根やサッシから雨漏りしているなど物理的に物件に欠陥がある状態のことを指します。
瑕疵担保責任の中でも分かりやすいケースが多く、具体的には以下のようなものがあります。

  • シロアリ被害が発生している
  • 地盤沈下している
  • 土壌汚染されている

法律的瑕疵

法律的瑕疵とは、現行の法律に適合しておらず、建て替えや増築できない既存不適格物件であることを告げないなど、法令上の制限の問題があることを指します。

具体的には以下のようなものが該当します。

  • 法令の改正により現行の接道義務を満たしていない
  • 指定の変更により現行の容積率を満たしていない

特に数十年住んだ家を売却するようなケースでは、売主も法令上の制限について知らないこともあるため注意が必要です。

とはいえ、物理的瑕疵と同じく分かりやすい瑕疵だといえるでしょう。

心理的瑕疵

心理的瑕疵とは、買う人が心理的に嫌悪感を抱いたり、快適に過ごせないと感じたりする状態のことを指します。

具体的には以下のようなことが挙げられるでしょう。

  • 過去に人が死亡した物件である
  • 周辺で殺人事件が起きた物件である
  • 近隣に暴力団事務所や宗教団体施設がある
  • 近隣にゴミ処理場や刑務所、風俗店などがある

物理的瑕疵や法律的瑕疵は誰にも共通することなので分かりやすいですが、心理的瑕疵は人によって不快に感じる度合いが違うので判断が難しいケースがあります。

事故物件の売買の問題は、心理的瑕疵によるものですが、判断が難しいケースでも売却前に伝えておくことで後々のトラブルを避けることができるといえるでしょう。

事故物件を売却する方法

過去に物件内で事件や事故が起きていた場合には、心理的瑕疵があるとして告知義務が生じるため、売却しづらくなるのが一般的です。

こうした事故物件を売却するにはどのような方法があるのでしょうか。

ここでは、以下の3つの方法をお伝えします。

  • 値引きする
  • 時間が経ってから売却する
  • 更地にして売却する

値引きする

相場価格では売却できない場合でも、相場より安い価格に値引きすれば興味を示す人はいるでしょう。事故物件に住むことを全く気にしない人は一定数いるからです。

どのくらい値引きすればよいかは、事故の程度や内容にもよりますが、周辺相場から3割程度は差し引くことを考えるとよいでしょう。3割値引きしても買い手が現れない場合、さらなる値引きを検討しなければならないこともあります。

時間が経ってから売却する

事故物件は事件や事後直後は周辺の人々の記憶にも残っており、なかなか買い手が現れないものです。

しかし、事件や事故が起こってから数年後の売却であればそのことを気にする人は減っているはずです。

ちなみに、ある程度年数が経てば告知せずとも売却できるようになりますが、何年経てばよいかについてはさまざまな判例があり、一定ではありません。

ただ、いくつかの判例を見てみると、おおむね10年程度以上経ってから売却すれば、売却後に心理的瑕疵による瑕疵担保責任を問われないとすることが多いようです。

更地にして売却する

建物内で起こった事件や事故の場合、建物を解体して更地にして売るという方法が有効なこともあります。

建物を解体してしまえばただちに告知義務がなくなるということではありませんが、買う側としても事件や事故の起こった建物が残っていないのであれば、そこまで気にしない場合もあるでしょう。

特に、木造の建物の価値は築後20年程度でほとんど価値がなくなるとされていることから、古い建物の場合は建物のまま売却しても、解体して売却してもほとんど価格が変わらないことになります。

こうしたケースでは、積極的に建物の解体を検討するとよいでしょう。

事故物件売却時の注意点

次に、事故物件売却時の注意点をお伝えします。

必ずしも大幅な値引きをする必要はない

事故物件の場合、まずは値引きして売却することを検討する方も多いでしょう。その際、事件や事故の内容によっては、必ずしも大幅な値引きをせずとも買主が見つかることもあることを意識しておきましょう。

事故物件は心理的瑕疵によるものですが、心理的瑕疵の捉え方は人それぞれです。

例えば、建設途中にアパートやマンションの屋上から飛び降り自殺した人がいる物件などでは、絶対に住みたくないという人もいれば、全然気にしないという人もいるでしょう。事故物件は、告知義務を満たした上で、買主が納得しさえすれば売買については全く問題がありません。

事件や事故の内容によってはまったく値引きすることなく売買が成立することもあるため、不動産会社とよく相談しながら売却を進めていくとよいでしょう。

事故物件は不動産会社に直接買い取って貰うのもあり

事故物件は告知義務があることもあり、一般的な売却では買い手を見つけにくいのが一般的です。

それでも事故物件を売却したいのであれば、不動産会社に直接買い取って貰うことを検討するのもよいでしょう。

事故物件専門の業者もある

不動産会社の中には事故物件専門で買取を行っている会社もあります。

一般的な不動産会社では事故物件の査定経験がそこまで豊富ではなく、買い取った物件を再販したときに売却できないことを考慮して相場よりかなり安い価格での売却となりやすいです。

一方、事故物件専門の業者であれば事故物件の査定経験も豊富で、買取後、手を加えて売却することで十分な利益を得られる物件だと判断されれば、そこまで大きな値下げをされることなく買い取ってくれるケースがあります。

複数の業者に価格査定してもらおう

これは仲介の場合も同様ですが、事故物件を査定してもらうときは特に複数の業者に価格査定してもらうことを意識しましょう。

物件の価格査定は査定する人によって価格が異なりますが、事故物件の場合、心理的瑕疵をどのように判断するかで査定額に大きな開きがでることも少なくありません。

もちろん、高値で査定してくれたからといって必ずしもその価格で売れるわけではないのですが、普段から不動産取引に携わっている担当者の目で「心理的瑕疵をどのように判断してその価格なのか」を知れるのはよいことだといえるでしょう。

「いえうり」であれば高額売却を実現しやすい

事故物件は売れづらいことから、条件さえまとまればすぐに買い取ってくれる直接買取はおすすめの売却法だといえます。

ただし、直接買取の場合、不動産会社は買い取った不動産に手をかけて再販することから、自社の利益を見込まなければならず、一般的な相場よりかなり安くなってしまいます。

もともと安くなりやすい事故物件に、不動産会社の利益まで考慮すると相場の半額以下になることも考えられるでしょう。

そこでおすすめしたいのが「いえうり」の買取マッチングサービスの利用です。

「いえうり」では不動産会社からの入札形式で価格がつけられ、売主はその中からより高い価格をつけた買主を選んで買取交渉に進められるようになっています。

入札形式を取り入れる事で買取業社間での入札競争が起こり、結果として「いえうり」は通常の直接買取より高値での売却を実現しやすくなっているのです。

事故物件の売却で、不動産会社に直接買い取って貰うことを検討しているのであれば、直接買取のメリットを持ちつつ、高値で売却しやすい「いえうり」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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まとめ

事故物件の定義や法律的観点からの説明などお伝えするとともに、事故物件を売却する方法や売却時の注意点などお伝えしました。

事故物件は基本的に売れづらく、値引きや時間を空けるなど売れるための工夫をする必要があります。

ただし、事故による心理的瑕疵は購入する人によって受け止め方が変わるため、焦って大幅に値引きせずともいずれ買主が現われる可能性もあります。

事故物件の売却価格については不動産会社とよく相談しながら進めるとともに、直接買取でありながら高値での売却も目指しやすい「いえうり」の利用を検討してみるとよいでしょう。

1.
参考:不動産流通推進センター 瑕疵担保責任を負わない特約付売買における引渡し後の隠れた瑕疵の発見

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