売れない家の特徴12選|戸建て・マンションを高く売るにはどうするべき?

売れない家の特徴12選|戸建て・マンションを高く売るにはどうするべき?不動産売却の基礎知識
執筆者
切塗よしを

きりぬりよしを:ライター、小説家/政令指定市の行政マンとして、都市計画法関連業務に従事、建築主事、建築専門学校非常勤講師の経験を有する/大阪文学学校賞、滋賀文学祭小説部門特選/ことの葉行政書士事務所代表
【保有資格】特定行政書士、建築基準適合判定資格者、終活カウンセラー、著作権相談員

近所を散策していると、いつまでも「売物件」の看板が立てられたままの住宅を見かけることはありませんか? もし自分の家を売り出したときに、いつまでも売れなかったら問題は深刻です。売れない家にはどんな特徴があるのか、そして高く売るためにはどうしたらいいのか、詳しくみていきましょう。

売れない家には理由がある

なかなか売れない家には、売れない理由が必ずあります。自分が所有する不動産の売却をスムーズに行うためにも、家が売れない理由を知ることはとても大切です。売れない家には、一体どのような特徴があるのでしょうか。

建築が平成12年以前の木造の家

木造の家は、平成12年5月よりホールダウン金物の取り付けが義務付けられています。地震や台風の際に、柱が土台から引き抜かれるのを防止するためのものであり、耐震性能を維持するうえで必須の金物です。

それ以前の住宅には、このホールダウン金物を取り付けたものが少なかったうえに、確実に取り付けられたのかを第三者が確認しないまま完成に至っていました。

しかし、ホールダウン金物の取り付けが義務付けられるようになると、ほとんどの自治体で木造住宅の中間検査が義務付けられるようになりました。そのため、指定確認検査機関等が、ホールダウン金物の取り付けばかりでなく、構造用合板などの構造に関わる部位の現認をしているのです。

平成12年5月以前と以後では住宅の耐震性能に大きな差があるため、平成12年以前に建てられた木造住宅は敬遠される傾向にあります。

さらに、木造住宅は築20年以上になると、老朽化が原因でなかなか売れなくなります。このホールダウン金物取付義務化直前の建物も築20年に近づいていることから、買い主が現れないままの物件も増えています。

1981年以前に建てられた鉄筋コンクリート造のマンション

鉄筋コンクリート造の建物には、いわゆる「新耐震基準」と呼ばれる耐震性能基準が1981年6月より適用されるようになりました。この新耐震基準は、それまでの耐震基準とは根本から異なる考え方で構築されたものであり、震度6強~7程度の大きな地震による揺れでも倒壊しないように設定されています

このため、新耐震基準以前に建てられた鉄筋コンクリート造のマンションの家に対して構造的な不安を抱く人が多く、なかなか売れない要因になります

前面道路が私道の家

家の前面道路(敷地に2m以上接する道路のこと)が私道の場合、公道の場合には無い問題が発生する場合があります。

もし、住宅の所有者が前面道路の所有者でもある場合には、道路が陥没したら、所有者の判断で費用を投じて補修することになります。補修を怠ると、陥没箇所で転倒した通行人が負傷した場合、損害賠償の問題まで発展する可能性があります

しかも、私道の多くは近隣の住民と共有であるため、関係者の数が多く、費用負担の問題ひとつにしてもなかなか合意に至ることができません。

前面道路の所有者が他人である場合は、さらに厄介です。水道、下水、ガスの配管に不具合が生じた際に、道路の掘削を伴う補修が必要だと判断されても、道路所有者の同意がなければ掘削をすることができません

購入検討者はこうしたリスクを懸念して、前面道路が私道の物件を選ばないことがあるのです。

前面道路が狭い家

建築基準法では、道路の幅員(ふくいん=幅のこと)は4m以上と定められています。そのため、一部の例外を除き、通常は少なくとも4mの幅が確保されています。しかし、4mの幅は普通自動車がなんとかすれ違うことのできる程度の広さであるため、大型車両が通行したり、どこかの家の樹木が道路にせり出したりしているだけで、たちまち車同士の離合が困難になります。

日常の車の出し入れや、リフォーム工事を行なう際の煩わしさを考えて購入を躊躇する人は少なくないため、売れ残るケースが多くあります。

幹線道路への経路が一方向しか確保できない家

一般的な道路は、左右どちらに進行しても、それぞれ別のルートで幹線道路に出られるようになっています。これにより、災害で一本の道が通行不可能になっても、別の道を利用することで避難路が確保できるのです。

ところが、ミニ開発で業者が無秩序に位置指定道路を造成した土地は、経路が複雑になる上に、最終的には行き止まりの道路となっています

現在は、インターネットのマップで容易に道路形状を見ることができるため、避難時のリスクを誰もが容易に把握することができます。その結果、幹線道路へのルートがひとつしかない道路に建つ家はなかなか売れないのです。

近くに新築物件がある家

近くに新築物件が売り出された場合、当然新築物件と同じ価格で売り出しても売れません。たとえ新築よりも安い価格設定であったとしても、購入希望者が少し無理をすれば新築物件が手に入る価格帯だと、誰も見向きをしてくれません

周辺に空き家や売り家が多い

周囲に売り家が数件あると、購入希望者は近所にトラブルメーカーがいるのではないかと疑ってしまいます。また、長年住む人のいない空き家が隣近所にある場合、治安上の不安や住宅の倒壊のおそれを危惧して購入を断念することがあるため、まとめて売れ残ってしまっているケースも存在します。

背後が崖地、あるいは崖地の上に建っている家

一般的な土質の崖は、30度までの傾斜であれば土砂崩れをしにくい安定角度だとされています。万が一の土砂崩れを想定して、少なくとも建物と斜面の距離を崖の高さの2倍は確保しておく必要があります。土砂崩れの際に自宅の被害が想定される住宅は、なかなか購入希望者が現れません。

また同様の理由で、崖の上に建つ家も、崖の縁は地盤が崩壊する恐れがあるために敬遠されてしまいます。少なくとも崖の縁から高さの2倍の距離を確保していないと安心とは言えません。

なお、こうした崖地の付近にある住宅は地方自治体の条例によって、建築を禁止されていることもあります。もしそのような条件のエリア内に家があれば、事実上の再建築が不可能になるため、書い手を見つけるのはかなり難しくなってしまいます。

隣棟間隔が狭い建売の家

隣家との空き寸法があまり確保されていない建売の家は、類似した建物がずらりと並んだ光景からくる印象や、隣と接近しているが故の圧迫感から、購入希望者が少ない傾向にあります。

特に側壁に外部足場を立てる間隔もないようであれば、将来外壁のメンテナンスを講じることが不可能であるため、建物の維持管理の観点を懸念されて買い手がつきにくくなってしまうのです。

検査済証を取得していない家は売れない

銀行は、違法建築物には担保価値がないという考えで融資の審査等を行なっています。したがって、違法性が疑われる家には、ほとんどの銀行が住宅ローンを融資してくれません。

適法であることを証明するためには、検査済証を提示する必要があります。検査済証は完了検査に合格した家であれば、建物所有者でなくても、管轄の行政機関で発行してもらえます。

適法性を証明できない家は、住宅ローンを融資してくれる銀行がなかなか見つからないため、購入希望者も最終的に購入を断念することがあります。検査済証を取得していないと、売れる機会をみすみす逃してしまうこともあるのです。売却を決めたら必要書類は早めに取り揃えるようにしましょう。

不動産会社と専属専任媒介契約を結んでいない家

不動産会社は、不動産の売買に際して仲介業務を行うと報酬が入ります。このため、売主とは専属専任媒介契約を結んで、購入規模者が現れた場合の仲介をすることを前提にして、熱心に販売活動を行うのです。

ところが、売主が何らかの理由で専属専任媒介契約を結ばずに、複数の不動産会社と一般媒介契約を結んだとしたらどうでしょうか。不動産会社としては、購入希望者が現れても、確実に自分の会社に仲介を依頼してくれる保証はどこにもないわけですから、熱心に販売活動をすることもありません。

広告を出さず、不動産業界にインターネットで広く知らしめるレインズ(不動産流通機構)にも登録しないかもしれません(専属媒介契約、専属専任媒介契約の場合は一定期間以内にレインズ登録の義務があります)。

その結果、周囲に広く物件情報が周知されないまま売れ残ってしまうケースがあるのです。

売却価格が適正でない家

家の売却価格は、通常は不動産会社の査定額を目安に決めますが、基本的には売主が自由に設定できます。

値下げの交渉がある前提とは言え、相場からあまりにもかけ離れた価格設定をしてしまうと、購入希望者が全く現れないこともあります。周辺の家の売買状況を把握して、相場に近い価格で売り出すことが肝心です。

長い間売れ残っている住宅は、何か問題のある物件なのではないかと疑われてしまって買い手が日に日に見つかりにくくなっていきます。そのため、売り出し時に設定する価格は、周囲の物件の相場を踏まえた適正価格を設定することが重要です。

一戸建て・マンションを高く売るにはどうすればいいのか

売れない家の特徴・家が売れなくなってしまう理由はおわかりいただけたかと思います。

では、どうすれば戸建てやマンションを高く売ることができるのでしょうか。少しでも高値で売る方法をみていきましょう。

不動産一括サービスで相場を知って家を高く売る

いくら高値で家を売ろうとしても、不動産は相場とかけ離れた価格だと、いつまでも買主は現れません。そのためにも、自分の家の相場を知ることが重要です。

そこで役に立つのが「不動産一括査定サービス」です。不動産一括査定サービスとは、インターネットの不動産一括査定サイトを通じて、一度に複数の不動産業者に査定依頼が行えるシステムのことです。

実際に査定を行ってくれる業者が抽出されますから、査定依頼には最も適した方法だといえるでしょう。5社程度の査定価格が出揃えば、だいたいの相場が掴めます。

ただし、ここで最高値の査定価格を提示してくれた不動産屋と安直に専属専任媒介契約を結んではいけません。その価格で売れる保証はどこにもないからです。

売れない高値で売り出しても、いたずらに時間が過ぎるだけです。そればかりか長期間売れないというレッテルが貼られて、最終的に買い手が見つかるまでに、大幅に価格を下げざるを得ないリスクすらあるのです。

不動産業者を選ぶ際には「しっかりと査定根拠を説明してくれること」と「このエリアでの実績の多さ」を基準に検討をしましょう。

売り出し前の家を整理整頓する

不動産業者の査定の際は、家の美醜は査定ポイントにならないので、あまり気にする必要はないのですが、いよいよ売りに出せば購入希望者が内覧に訪れることになります。

購入希望者は見た目の印象から判断することが多いため、キッチンやバス、トイレなどの水回りは、専門のハウスクリーニング業者に依頼して、内部を美装してもらうようにしましょう。 高値で売るためには、多少の投資を惜しんではいけません。

ずっと家に住んでいる人は、汚れに目が慣れてしまってあまり気にならないのですが、初めて訪れる人にとっては、ひどい汚れに感じてしまうものもあるため、プロの手でクリーニングしてもらうことはとても重要です。

また、室内の広さをアピールする意味では、室内の不要な家具、物品はできる限り処分しておきましょう。特に玄関に入ったときの印象が大事ですから、玄関には可能な限り物は置かないように心がけましょう。

家の購入先行で売却活動を進める

購入先行とは、家の売却が決定する前に、次の家の購入の段取りを進める方法です。たとえば建売住宅を購入してから家を売却するとしたら、新しい家に移り住んでから、家を売り出すことになります。そのため、売り出しの段階では家の中にまったく物品がない状態になります。

家の中に家具や荷物が無い状態だと、ハウスクリーニングも隅々まで徹底して行うことができます。その結果、購入希望者が内覧に訪れた際には、広々とした室内に好印象を抱いてもらえるでしょう。

また、隠れた瑕疵があるのでは無いかという不安も解消できます。

つなぎ融資の利用

売却を前提で資金計画をしていた場合は、売却が完了するまでの間はつなぎ融資を利用します。

新しい家が注文住宅の場合は、仮住まいをすることになります。しかし、売却してから注文住宅を発注しても、どのみち完成までは仮住宅が必要になります。だとすれば、仮住まいの期間を短縮できる購入先行の方が、家賃の節約になるのです。

売れない家は仲介売却よりも「業者買取」がオススメ

家が売れない理由には、この記事でご紹介したもの以外にも「日当たりが悪い」「二世帯住宅である」「家が斜面地に建っている」「交通の便が悪い」などがあります。

家が売れない要因をどこまで深刻な問題としてとらえるかは、購入希望者の考え方ひとつです。何か売れない要因を抱えていたとしても、他の要因で補うことで売却が早々に決まることがあります。

特に売却物件の清潔さを演出するのは、いずれの状況下にあっても必須の対策法です。自宅の売却の際には、悔いの残らないように万端の準備をしてのぞみましょう。

また、ここで紹介しているような問題点を抱えている物件は、買い手が見つかるまで待つ仲介売却よりも、不動産業者による買取を利用する方が、処分までの期間は短く、瑕疵担保責任を負う必要も無いため、結果的に得をするケースも多いです。

選択肢の一つとして頭に入れておきましょう。

タイトルとURLをコピーしました