家を売る前に必ず確認すべきこと10選|これをやるだけで査定額アップ?!

家を売る前に必ず確認すべきこと10選|これをやるだけで査定額アップ?!不動産売却の基礎知識
執筆者
切塗よしを

きりぬりよしを:ライター、小説家/政令指定市の行政マンとして都市計画法関連業務に従事、建築主事、建築専門学校非常勤講師の経験を有する/大阪文学学校賞、滋賀文学祭小説部門特選/ことの葉行政書士事務所代表
【保有資格】特定行政書士、既存住宅状況調査技術者(インスペクター)、建築基準適合判定資格者、終活カウンセラー、著作権相談員

せっかく家を売るのであれば、売却額は少しでも高くしたいですよね。でも、そのためには事前に確認しておくべきポイントがいくつかあります。これを実行するかしないかによって家の売却額にも大きな影響を及ぼしますので、家を売る前にどんなことを確認すればいいのか、詳しく見ていきましょう。

敷地境界線がはっきりしているか

家を売却する際には、土地の面積を提示することが求められます。土地の面積は、法務局に保管している地積測量図によって把握することができますが、それだけでは完璧とは言えません。地積測量図で示している各ポイントが境界標などによって、現地でしっかりと明示されていることで、はじめて正確な土地の面積が提示できるのです。

土地の境界線があいまいだとなかなか買主が現れなかったり、価格を大きく引き下げられる要因になったりします。適正な価格で売却するためにも、土地の境界線の確定は非常に重要なのです。

資料が古い場合は再計測の必要性も

しかも地積測量の技術は時代の変遷とともに向上しており、法務局の求める測量の精度も現在では相当に厳密なものになっています。このため、地積測量図の作成が古い時代のものであると、買主から最新の技術による地積測量図を求められることがあります。

特に土地の単価が高いエリアの物件であれば、わずかの誤差が価格に大きく影響してきます。そのため、地積測量図の正確さに不安がある場合は、最新の技術による地積測量を実施して「地積更正登記」をしたものを用意した方が、家の売却査定においても有利なのです。

建物の検査済証はあるか

現在の金融機関は、違法建築物は担保価値がないという考え方が主流です。たとえ担保価値を認められたとしても、相当に低い金額に抑えられてしまいます。

家の売却に際して、物件を少しでも高く査定してもらうためには、建物が適法であることを証明することがとても重要です。その際に最も確実な証となるのが検査済証です。

検査済証が手元に見当たらない場合は、所轄の行政機関で「検査済取得済証明書」などを交付してもらえます。そもそも検査済証が交付されていなかった物件であっても、単に検査手続を怠っていたケースであれば、国に届出をした指定確認検査機関によって適合性を証明してもらうことができます。

建築確認済証があるか

検査済証は建築確認申請書どおりに家が建っていることを証明するものです。その根拠となる建築確認済証が手元にないと、検査済証が適正なものであるという説明が困難になることがあります。

建築確認済証に添付された図面と同じサイズの家が建っていることを、実際に目視することで安心する買い取り希望者も存在するのです。

建築確認済証が手元にない場合は、所轄の行政庁で「建築確認台帳記載事項証明書」を発行してもらうことができます。ただしこれだけでは、視覚化できる図面がないので、合わせて「建築計画概要書の写し」を交付してもらいましょう。建築計画概要書には、平面図は添付されていませんが、配置図が表示されているので、家の外観の寸法を知ることができます。

土地・建物の権利関係を明確にしておく

家の売却に際しては、土地・建物の所有者全員の同意が必要になります。土地や建物の登記事項証明には、生存している人物が記載されていることが大原則です。もし亡くなった親の名義のままで登記を放置していたのであれば、速やかに正当な相続人の名義に変更する必要があります。

また、所有者の数が多い不動産は契約の煩雑さを嫌って敬遠されることがあります。特に遠方の家に住む親戚などが所有者である場合は、どんな人物であるかを買い取り希望者が確認することができないので、物件の良し悪しとは関わりなく契約に至らないケースも多いです。

たとえば瑕疵担保責任ひとつにしても、それを追及するべき相手が、あちこちに散在していたのでは、買い取る側の立場としては大きな不安材料になってしまうのです。

したがって、所有関係はできる限りシンプルにまとめた方が、売却の手続がスムーズに進められます。

抵当権の問題

所有権ばかりでなく、抵当権の問題も重要です。確実に抵当権を抹消しておかないと、買い取り希望者は現れません。住宅ローンは完済しており、手続だけの問題であるのなら、早急に抵当権抹消登記をしましょう。

住宅ローンが完済できない場合には、任意売却という手法で売却することができます。売却方法は一般の売却と変わりないとはいえ、抵当権がある物件を積極的に買いたい人は多くはいないので、相場よりも安い売却額であるといったメリットがないと売却はできません。あるいは、任意売却された不動産物件を専門に買い取る不動産会社が、相場よりも低い金額で買い取ることもあります。

このように、抵当権が付いたままの物件は、売却に際して非常に不利な状況となるため、相場よりも高い金額で家を売却したいのであれば、抵当権は確実に抹消を済ませておく必要があるのです。

周辺エリアに強い不動産会社を選択する

不動産の査定は高いから良いというものではありません。査定依頼をした不動産会社がいくら高い査定額を提示してくれたとしても、実際にその価格で売却できなければ査定には何の意味もないからです。それどころか、相場以上の高値で売却活動をしたためになかなか売れず、結局大幅な値下げを余儀なくされるという弊害すらあります。

そのためにも、不動産一括査定サイトなどを活用して、家の売却額の相場を把握しておくことがとても重要です。あるいは常日頃から近隣の家の売却価格を折り込み広告などでチェックしておくのも有効な方法です。そのうえで、適正な価格で査定してくれた不動産会社の中から仲介の依頼をするのができるだけ高くそして早く物件を売却するコツになります。

家の売却は、買主を見つけることが非常に重要なポイントになりますから、自宅周辺エリアに幅広く情報を有する不動産会社を選択するという方法はとても有力だといえます。

媒介契約について

不動産会社の販売力を最大限に発揮してもらうためには、専任媒介契約、または専属専任媒介契約を締結するのが良いでしょう。一般媒介契約では、不動産会社としても最終的に仲介契約を締結してくれるのかが不明なので、熱心な売却活動が期待できないからです。

不動産は売り出してからの期間がとても重要です。いつまでも売れない不動産は、何か問題がある住宅として認識されるようになり、ますます価格を下げざるを得ない状況に追い込まれることがあります。そのためにも適正な価格でスムーズに買主を見つけてくれる不動産会社を選択することが重要なのです。

室内の清掃を徹底的に行う

不動産会社の訪問査定の段階では家の清掃はそれほど重要ではありません。常識的な範囲の清掃をしていれば、査定価格に大きく影響を及ぼすことはありません。

しかし、家の売却活動が始まり、実際に買い取り希望者が内覧に訪れるようになると、一般的な清掃では購入意欲を失わせてしまう可能性があります。

特に炊事場、浴室、トイレなどの水回りはとても重要です。こうした箇所は、素人の清掃では限界があるので、専門のハウスクリーニング会社に依頼した方が良いでしょう。僅かな出費を惜しむことで却って有力な買主を失うことにもなりかねません。ハウスクリーニングの専門家の手で、油汚れやカビなどを徹底的に洗い落としてもらいましょう。

また、排水の詰まりがあれば全て改善しておきましょう。排水のつまりがあると正体不明の汚臭が漂い、買い取り希望者に不安を与えることになります。内覧希望者は平日の夜に訪れることもあります。不良の照明器具を放置したままだと、暗い印象を与えることになりますから、切れた照明は新しいものに取り換えておきましょう。

さらに、室内を広く見せる工夫も必要です。売却を前にした時期だと、近いうちに不用品を処分することになります。それであれば、不用品の処分は内覧の前にしっかりと行い、できる限り室内の空間を広く見せる工夫をしておいた方が、家に対する印象が良くなります。

可能であれば先に引越しをしておく

引越しの時期は、売却と新規住宅の購入のタイミングで決めることになりますが、可能であるならば、先に仮住まいや新居に引越しを済ませてから(購入先行)売却活動をした方が、査定上有利にはたらきます。

ハウスクリーニングも家を空にしてから実施すると、隅々までの清掃が可能になります。また買い取り希望者も本来家具で隠れてしまう壁もチェックすることができ、不安の解消につながるのです。なにより、室内の空間が広々としていることが好印象を与えるというメリットが大きいです。

建具の調整や修繕を済ませておく

玄関戸、室内の木製建具、アルミサッシなど家の中には多くの建具があります。長年住んでいる家であれば、多少立て付けが悪くても慣れから支障なく操作できますが、初めて訪れた内覧者にとっては大きな不安材料になります。

また、取っ手や丁番の不備も同様に内覧者にとっては不安材料です。売却がまとまりそうになったとしても、こうした建具の不具合を理由に値引き交渉をされることもあり得ます。建具の不備は容易に調整することができますから、内覧の前には不備がないかしっかりと確認しておきましょう

害虫は駆除しておく

内覧の最中にゴキブリやシロアリの痕跡を発見されると、いくらきれいに掃除をしても、すべてが無と化してしまいます。ゴキブリの駆除は事前に入念に行いましょう。

また、シロアリの被害は、もし購入後に発見されれば瑕疵担保責任を問われる場合もありますから、シロアリ被害がないか床下を入念に調査しておきましょう。もし被害が発見されれば、早急に専門家に駆除を依頼すべきです。

シロアリ駆除後には5年保証のアフターフォローなども付きますので、購入検討者への安心にも繋がります。

外構の不安材料は取り除いておく

庭木が立派に育って屋根くらいの高さの巨木になることがあります。樹木は憩いの要因となりますが、反対に倒木などの不安材料にもなり得ます。買い取り希望者に不安を与えかねない樹木は、剪定によって、管理が容易な規模に収めておいた方が良いでしょう。

また、常日頃風雨にさらされている門、門扉、フェンス、塀、郵便ポスト、インターホンなどのエクステリア関係は、意外と激しく破損していることがあります。門扉が傾いていたりすると、家全体がだらしのない印象になりますから、可能な範囲で補修をしておきましょう。

また道路に接している背の高いブロック塀は、控え壁がきちんと施工されていないと、地震時の倒壊を危惧する買い取り希望者から敬遠されることになります。このために家が売れなくなるということもあり得ますから、撤去などの抜本的な対策を講じる必要があります。

内覧時の対応は丁寧に行う

内覧のために買い取り希望者が訪問した際に、対応をすべて妻に任せて、所有者である夫が別室にこもったままということがあります。これでは内覧の効果は半減どころか大きなマイナスになります。

内覧は家の状態を確認するのと同時に所有者の人柄を観察する場でもあるのです。所有者が不快な印象の人物像だと、値段の交渉や後の瑕疵担保責任の際の対応まで考えて購入を敬遠する事態にもなりかねません。

自分の家をお客様に買っていただくという、ビジネス的なスタンスに立って、内覧者への対応は丁寧に行うことが、有利な価格で売却を進める重要ポイントです。

家の売却で大切なこと

家の売却で大切なのは、不動産会社が事前に提示した査定価格に、いかに近い金額で売却するかということです。提示額どおりで合意ができたとしても、いざ契約の直前になって、不安材料を持ち出してきて値切ってくる買主は少なくありません

できるだけ不安材料を提供しないために、気がついたところは事前に改善しておきましょう。また、マイナスになりかねない不安材料があるのであれば、包み隠すことなく事前に相手に伝えておいた方が、後のトラブルを回避できます。

家の売却に際しては事前の準備に最善を尽くして、気持ちよく新たな生活に踏み出しましょう。

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