家(戸建て・マンション)はリフォームすると高く売れる?値段・売れやすさの変化を解説

不動産売却の基礎知識
執筆者
西原 太

宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(AFP) 
プリズム・エージェンシー株式会社 代表
不動産の売買・賃貸仲介の経験から、不動産仲介をコンサルティングサービスととらえ、お客様に寄り添いながらより満足のいく仲介・正しい情報提供を目標に日々営業中。東京都葛飾区出身
得意分野:不動産売却、資産活用、法人、医療分野

自宅を売却しようとするときに、リフォームをしたほうが良いのか、そのまま売れるのか、悩まれる方も多いと思います。現在住んでいる場合は、家具が置いてある状態だと判断がつかない場合もありますし、一概に汚れていそうだからリフォームをしなくてはいけないというわけでもありません。

この記事では、売却時にリフォームが必要なのはどのようなケースかをご紹介します。

売却の際にリフォームは必須?

売却の際にリフォームは必要でしょうか。答えはケースバイケースです。

もし同じ価格であれば、リフォームをしてある物件とそうでない物件では、リフォームをしてある物件のほうが売れやすいのは間違いありません。しかしながら、費用のかかることなので、どのような物件がリフォームをしたほうが良いのかをご紹介します。

早く売りたい

一般的に、見栄えが良い物件のほうが売りやすいのは確かです。状態が綺麗でないと購入を決められない購入者は一定数います。見て決められるというのは、状態が千差万別な中古物件の特徴でもありますので、購入する物件を見てから買いたいと思う方の層も取り込んだほうが、見込み客の分母が増えて早く売りやすくなります。

競合が多い物件

地域で競合物件が多い場合、たとえば同じマンションで比較のしやすい間取りがある場合、一戸建てで徒歩数分の場所、金額帯が同じような物件がいくつかあるような場合はリフォームをすることで良さを際立たせることが可能です。

似たような物件が販売に出ているような場合は、特徴をどれだけ出せるかも売却が決まるまでのポイントなので、セールスポイントが価格だけにならないような売り方も必要です。そんな中、リフォームがしてあるなど、他の競合物件と差別化ができるように早期の確実な売却につながります。

金額を維持したい

売却を希望している人の中には、売却希望額を持っていらっしゃる方もおられると思います。売りたい金額がある場合には、リフォームをして見栄えをよくすると売りやすいでしょう。

リフォームの上乗せ分をそのまま価格に乗せしたら売却できたり、同様の間取りで価格差がそのままリフォームであるような物件も、やはりリフォームした高い物件のほうが早く売れている事例を多く見ます。査定額に現れない「売りやすさ」に反映する部分になるので、物件ごとに検討をしてみるのが良いと思われます。

リフォームをして売却することのメリット

リフォームをすることで売却の際にどのようなメリットがあるのでしょうか。下記のメリットは全て買主にとって都合がよいため売りやすくなるという事です。

印象が良い

今まで購入でも賃貸でも物件を決めたことがある方は、最初に見たときの印象は大きなポイントではなかったでしょうか。内覧時に印象が良かった物件は決まりやすいです。

住宅ローンをリフォーム代に組み込める

最近は、購入とリフォームを一体的に借りることができる一体型ローンも充実してきましたが、購入するお客様の考えでは、ひと手間かかってしまいそうと思ったり、リフォーム費用を見積もることを手間だと感じたり、そもそもイメージが沸かないという人も多いようです。

(購入者が)見たそのままの状態ですぐに住むことができる

不動産取引では、見たものをそのまま買いたいというニーズが一定数あります。新築であっても完成前の物件を購入するのは躊躇しますが、中古物件ではなおさらでしょう。

リフォーム後の状態をイメージしながら買うよりは、すでにリフォームされているほうが購入しやすいです。購入者も不動産を買い慣れた人、というのはほとんどいません。リフォーム後のイメージをするよりも、すでにリフォームが出来上がっているもののほうが買いやすいのは言うまでもありません。

リフォームをして売却することのデメリット

売却のために持ち出しが要る

リフォームになかなか踏み切れないのが、持ち出しが発生するという事です。これは何よりのデメリットです。

必ず期待通りに売れるとは限らない(金額・期間)

リフォームの持ち出しが発生するため期待通りの金額で売れるか非常に気になるところだと思います。価格維持のためにリフォームをしたものの、結局ペイできなかったという事になれば不満の残る売却活動になってしまう可能性があります。

リフォームが必要か見極めるには?

リフォームはしたほうが良いのは間違いないですが費用に発生、価格に転嫁されるのでどんな物件でもリフォームの必要があるわけではありません。どんな物件がリフォームしてからの売却に向いているのかを見てみましょう。

近隣事例、現在販売中の競合物件

売却を予定している物件の競合(立地・価格面が同程度の水準の物件)が少ないようであれば、リフォームの要否はあまり気にすることはありません。

一方、地域で販売中の物件が多いような場合は、目立つような販売施策が必要です。以前に比べても、販売中の物件が簡単にネット上で発見できるようになり、写真の見栄えがより重要になっています。営業マンの頑張りだけで売り切るのはなかなか難しくなってきました。これには、以前に比べると購入希望者が不動産の情報を入手しやすくなったという意味合いもあります。

めったに売り物件が出ない地域では売却に出すだけで目立つかもしれませんが、競合が多い地域では他の物件よりも魅力を出さなくてはいけません。一番の魅力が価格、ということになってしまわないよう、販売施策のためにリフォームを行うことも視野に入れておきましょう。

購入層・地域性の見極め

人気地域や、売り出し物件が少ないような地域では価格が一番のポイントになることもあり、リフォームの有無は価格にあまり反映されないこともあります。たとえば、人気のある学区、住所などの地理的な要因や、マンション自体に人気があり売却に出ることが少ない場合ではリフォームについては慎重に判断した方が良いでしょう。

また、若い夫婦など、新居を構えるために購入するような層が多い地域・価格帯の場合は、中古物件を検討する理由が、価格が安くお得だからというケースが多いです。そのような地域では、そのまますぐ住める物件のニーズが高くなります。買い手の心理によっては、新居での生活がイメージしやすいリフォーム済み物件は売れやすくなるのです。

最低限の見栄え

買手の立場になった場合、検討している物件が想像以上に汚れていた場合はどうでしょうか。内覧して買い手に不安を与えてしまった場合は、なかなか成約に結び付きません。

買主にとって、内装が新品か中古かでは安心感が違いますので、なにより安心感を生むために最低限の見栄えは整えるべきです。たとえば、内覧が多くあるのになかなか決まらないような場合は内装に問題がある場合も散見されます。価値UPのリフォームというよりも、お客様をお迎えする最低限の環境づくりが不十分な場合もあるので、「立地はまぁまぁだけど、かなり古くてなかなか成約に結びつかない」といった物件では、リフォームを検討するのも良いでしょう。

売りやすくするためのおすすめリフォーム事例

個人の売主がリフォームをするのは費用や作業の手配などに限界があると思いますが、中古物件をきれいにリフォームして売却するプロ・再販業者はどのようなリフォームをするのでしょうか。部分ごとに事例をみてみます。

クロス(壁紙)

クロスはきれいか否かが大きなポイントです。賃貸物件の引き渡し時のクロスのきれいさが一つの目安になります。こだわった柄のクロスをこちらから用意する必要はなく、もし交換するのであれば、廉価な白いクロスでも十分でしょう。逆に素材の良いクロスを貼ったとしても、あまり価格には反映されません。また、柄物のクロスは良いイメージがある場合もあれば、個性が強くなってしまい売りづらくなることもあるため、注意が必要です。

フローリングは、最近の買取再販では交換してしまうことが多いです。フローリング自体の質も大きく上がっていて、床の上を歩いたときの感触が良いもの、クッション性のあるものを使うこともあります。ワックスがけをするだけでも随分見栄えが変わってきます。住み始めると自宅のフローリングに意識が行くことは少ないかもしれませんが、物件を決めるときの印象に、床は大きくかかわってきます。

カーペット・絨毯の部屋は、以前は流行しましたが最近はあまり人気がありません。カーペットの部屋をフローリングにすると格段に見栄えがよくなりますので、カーペットを交換するよりもフローリングに貼り替えてしまうことが多くあります。

建具類

ドアノブや取手などは、案外劣化が現れやすい部分です。表面の塗装がはげてきてしまっている取手やノブは、イメージダウンにつながります。住宅の部材は素晴らしいデザイン性のものが生まれてきていて、費用も大きくかかるものではないので、交換をしてしまうことも多いです。

建具類も劣化が目立つところですが、塗装をしたり表面にシートを貼り付けたり、きれいに見せる方法もあります。

水回り

新しいユニットバスやシステムキッチン、洗面台が入った場合はとても見栄えが良くなり、買い手も新品を使えるので印象が良くなります。水回りリフォームは費用もかかりますが、印象がかなり変わりますので効果は高いです。

その他、大掛かりにリノベーションをしたりデザイナーズ風な内装に変更して売却をする業者もいますが、技術とセンスが必要です。素晴らしい物件が多いですが、価格にも転嫁が必要なので物件数自体は多くありません。販売戦略のセンスも必要ですので、向いている物件を選ぶ力と販売力が必要になるため、個人が売却前に行うときは注意が必要です。

まとめ

 内装状態があまりよくない場合は、買取がおすすめ

リフォームを実施して売りやすくなることはご理解いただけたかと思いますが、実際そのリフォームを、「持ち出しをして」「コスパ良く」「ニーズに適うように」工事することはなかなか難しいのが実情です。どのようなリフォームが良いのかは、地域性や価格帯でも違いが出ます。

そんな場合におすすめなのが不動産の「業者買取」です。買取業者は買取のプロでもありますが再販のプロでもあります。リフォームや独自の販路を駆使して再販するのですが、売却時の状態からリフォームをして見違えるように、またニーズに適うようにきれいにして再販します。

業販価格のほうが安い

最近は、デザイン性が高くおしゃれな見栄えのするリノベーションが流行っていますが、全体的には少数派です。一般的なリフォームと比べるとどうしてもデザイン料などが加わるため、リフォームそのものに付加価値をかけたり、築年数が古いなど何かしらの理由があるためにリノベーションをする場合がほとんどです。

一般的な壁紙や床、ユニットバスなどの水回りは、買取再販を行っている業者は、専門ならではの低コストでリフォームを実施することが可能です。

ノウハウがある

どのようなリフォームを実施すればお客様に喜んでいただけるか、買取再販業者はよく知っているので確実に売ることが可能です。最近の人気のあるようなリフォームをよく知っています。

瑕疵担保責任・契約不適合責任を回避できる

売主には売買契約で瑕疵(かし)担保責任を負うことがあります。瑕疵担保とは、売主も知らないような物件の不都合が生じた場合、売主が責任を負わなくてはいけないというものです。契約でその責任を無しにすることもできますが、一般的には3か月の期間をつけることが多いようです。

買取の場合は一般的に瑕疵担保責任を無しにする契約が多いため、後から瑕疵が見つかった場合の補償をする必要がありません。これは買取に出す大きなメリットだと言えます。

2020年4月に民法改正が予定されており、瑕疵担保責任は契約不適合責任にかわります。瑕疵担保責任は売主が知らないものことに限定されていましたが、契約不適合責任は売主が知っている、知らないにかかわらず契約に定められた内容で物件の引き渡しができたかを問われ、物件に何らかの問題が生じた場合は売主に代金減額や修正を求めることができるというものです。

新民法の施行で売主の責任がより厳しくなる予定のなか、業者買取でプロに売却することで、思わぬ契約不適合を回避することが可能になります。

大きなリフォームが必要な物件は更に、どんな瑕疵が見つかるかはわかりません。売買における予想外の出費を開始する意味でも、買取を利用するメリットは大きくあります。

 

リフォームをする必要があるかどうかを検討するときは、大きな出費の検討をしなくてはいけません。もし大規模なリフォームをしないと売れなさそうな物件の場合は、買取はとても親和性が高いサービスですので、売却に時間をかけず、売却後の瑕疵のリスクを減らすために買取の検討もおすすめします。

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