ホームステージングで物件は売れやすくなる?メリットや費用を徹底解説

不動産売却の基礎知識
執筆者
逆瀬川勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。
保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士

家具や小物を配置して、中古物件をモデルハウスのように演出するホームステージングをご存知でしょうか。

ホームステージングには費用がかかりますが、実施することで早期売却や高額売却につながる可能性があります。

本記事では、ホームステージングについてメリットや注意点、費用など解説していきます。

ホームステージングって何?

家を売却する際、条件に合う人がすぐに見つかればよいのですが、場合によっては数カ月以上売れ残ってしまうこともあります。また、中古住宅は売れない期間が長くなると「売れ残り感」が出てしまうため、できるだけ早いタイミングで売却を決めることが重要となります。

このため、家を売却するとなったときには、売れるためのさまざまな工夫を凝らさなければなりません。そうした、家を売れやすくできる施策の一つに、ホームステージングがあります。

ホームステージングと聞いてパッとその意味を理解できる人はそう多くないかもしれません。ホームステージングは中古物件の流通が活発な欧米では一般的ですが、日本においてはまだそこまでなじみのある言葉ではないからです。

中古物件をモデルルームのように演出

ホームステージングは中古物件に家具や小物をおいてモデルルームのように演出することを指します。

家を売却するときは、住みながら売却する方法と、新居(もしくは仮住まい)に引っ越してから売却する方法の2通りがありますが、この内、後者を選んだ場合、家の中は家具など何もない状態で売却活動を行うのが一般的です。

しかし、家具や小物がなにもない状態だと部屋の中が殺風景に感じられてしまいます。

そこに、モデルルームのように家具や小物を配置することで家のイメージを一気にアップさせようというのがホームステージングです。

もちろん、自分で家具や小物を配置してもよいのですが、自前で用意できるほど豊富に家具や小物を持っている人はそういませんし、かといって家の売却のためだけにそれらを購入するのももったいないですよね(購入した家具をそのまま売却する方法もありますが、日本においては主流ではありません)。

一方、ホームステージングを行っている業者に依頼すると、中古物件の売却期間中だけ家具や小物を借りておけばよいだけなので無駄がありません。

また、プロの手によって家の雰囲気に合う家具が選定され、適切な場所に配置してくれることも大きなポイントです。

ホームステージングで得られる効果

ホームステージングを実施することの具体的な効果としては、以下のようなものがあります。

  • 集客アップにつながりやすくなる
  • 早期売却につながりやすくなる
  • 高額売却につながりやすくなる

それぞれについて見ていきましょう。

集客アップにつながりやすくなる

中古物件を売却する広告には、価格や間取りなどの情報とともに内装の写真など掲載するのが一般的です。

ホームステージングにより、モデルルームのようになった内装の写真を掲載することで広告の見栄えがよくなり、集客率のアップにつなげられるでしょう。

早期売却につながりやすくなる

ホームステージングにより家具や小物が置くと、何もない状態で売却されているのと比べてイメージがよいだけでなく、「家具をどこに配置する」など入居後の生活を想像しやすくなり、結果として早期売却につながりやすくなります。

また、中古物件を見学するときは、1日の内に何件か見て回るのが一般的ですが、ホームステージングを実施した物件とそうでない物件とでは、後に残る印象が違います。

基本的には、ホームステージングを実施した物件の方がよいイメージを持ちやすく、後で「あの物件に決めよう」という決断をしてもらいやすくなるでしょう。

なお、株式会社ホームステージングジャパンによると、ホームステージングしなかった場合の売却期間が平均156日間に対し、ホームステージングした場合の売却期間が平均42日になるというデータもあります1

高額売却につながりやすくなる

不動産の価格は買主と売主の納得するところで決まるもので、相場はあれどもともと定められた価格というものはありません。つまり、買主が売却物件についてよい印象を抱けば、多少高い金額設定をしても売買契約をすることは可能です。

ホームステージングを実施することで売却物件のイメージをアップさせれば、実施する前と比べて高値での売却を目指すこともできるでしょう。

なお、こちらも株式会社ホームステージングジャパンによると、アメリカのコールドウェル銀行の調査ではホームステージングを実施することで買い手の希望額より6%以上高く売却できているというデータがあります2

ホームステージングの注意点

一方、ホームステージングには以下のような注意点があります。

必ずしも高額売却できるわけではない

ホームステージングのメリットとして「早期売却」や「高額売却」につなげられる可能性があることをお伝えしましたが、これらはあくまでも可能性の話です。

そもそも、仮に内装を気に入ったとしても立地などが買主の希望外であれば購入には至らないでしょうし、立地など申し分なくとも、買主側に何らかの都合があり、契約につながらないこともあるでしょう。

あたり前の話ではありますが、ホームステージングしたからといって必ずしも高額売却につながるわけではない点に注意が必要です。

費用対効果を見極めよう

ホームステージングには、ホームステージングの業者に依頼して家具をレンタルするパターンや、自分で家具を購入して設置しそのまま売却するパターン、使わなくなった家具をそのまま展示用として利用するパターンなどがあります。

いずれのパターンについても、ホームステージングにかける費用と期待できる効果を比べて、「お金をかけただけの効果を得られるか」費用対効果を見極める必要があります。

一番分かりやすいのは、かけたお金以上に高値で物件が売却できてしまうパターンです。

例えば、ホームステージングに30万円かけて、もともと3,000万で売却する予定だった物件を3,200万円で売却できたとしたら、高い費用対効果を発揮していると言えるでしょう。

一方、30万円かけたのに3,000万円での売却となってしまった場合、かけた30万円がムダだった可能性があります。

もちろん、ホームステージングを実施しなければ2,900万円まで値下げしなければ売却できなかったかもしれませんし、まだ売却できていなかったかもしれません。

こうした費用対効果を正確に測ることはできませんが、「30万円費用をかけて、〇〇万円以上の高額売却を目指す(もしくは1カ月以内の売却など早期売却を目指す)」など、具体的な目標を定めて慎重に検討した上で実施を検討するとよいでしょう。

ホームステージングにはどのくらいのお金がかかる?

では、ホームステージングにはどのくらいのお金がかかるのでしょうか。

ホームステージングの費用相場

ホームステージングの費用は、家具を3カ月程レンタルするタイプのもので15~30万円程度が相場となっています。

一方、プロに頼んで建物全体をフルコーディネートしてもらうパターンだと(建物の大きさ等により異なりますが)、100~200万円程度はかかると考えておいたほうがよいでしょう。

なお、住みながらの売却でも実施できるホームステージングもありますが、こちらは「4時間で5万円程度が相場」となっています。

自分でホームステージングすれば費用を抑えられる

ホームステージングは、言ってしまえば「家具と小物を置いてイメージアップを図るだけ」のものですから、売主自身でできなくもありません。

問題となりやすいのは、家具や小物をどのように用意するかですが、これも「自分で用意できるものだけ用意して、足りないものはレンタルして賄う」などすることで費用を抑えることができるでしょう。

ただし、自分でホームステージングするのであれば、単に「自分が住みたい家」にするのではなく、「そのエリアの物件を買い求めやすいのはどんな人で、そうした人にどのような家具を設置すれば響きやすいかを考慮すること」が大切です。

実際のところ、そこまで考えると、素人にはなかなか難しいです。

より効果的に運用したいのであれば、やはりプロに頼むべきだと言えるでしょう。

無料でホームステージングしてくれる不動産会社もある

ホームステージングを実施するには、ホームステージングの業者に依頼するか、自分で家具を用意する必要がありますが、大手不動産会社の中には無料でホームステージングしてくれる会社もあります。

これらの会社では、売買が成立すれば仲介手数料を受け取れますし、家具については使い回せばよく、ホームステージングを実施していることが他社との差別化につながることから、無料で実施しているのです。

売主としても、不動産会社が無料でホームステージングしてくれるのであれば、利用しない手はないでしょう。

ホームステージングすることで必ず高額売却できるわけではないため、その利用については費用対効果を意識する必要がありますが、無料で利用できるのであればぜひ利用すべきだといえます。

不動産会社の直接買取ならホームステージング不要

ホームステージングについてお伝えしてきましたが、家を不動産会社に直接買い取って貰う「買取」の場合、ホームステージングは不要です。

不動産会社は、買い取った家にリフォームやリノベーションを加えて、自社で家具や小物を揃えて再販します。

このため、買取の段階で売主が物件に手を加える必要はないのです。

家の売却にあたり、「できるだけ早く売却したい」という理由でホームステージングを検討しているのであれば、効果が確実ではないホームステージングより買取を選んだほうがよいかもしれません。

買取による方法では、売主と不動産会社との間で売買に関する条件が整えば、すぐに家を売却することができます。

インスぺ買取なら高額売却も実現可能

ただし、業者買取には弱点もあります。それは、仲介による売却と比べて安値での売却となってしまいやすいことです。一般的に、買取による売却では、仲介による売却の7~8割程度での売却となるのが一般的です。

これは、先述のように、不動産会社は買い取った家に手を加えて売却する(買取再販)が目的のため、改修費用や不動産会社の利益を見込む必要があるからです。

一方、インスぺ買取で買取のこの弱点を克服し、高額売却も実現しやすくなっています。

インスぺ買取は、戸建て住宅専門とはなりますが、物件を登録するとインスペクションを無料で受けることができ、その情報を元に、気に入った不動産会社から「入札」を受けることができます。

不動産会社側はインスペクションを受けていることから、気に入った物件については高値でも入札しやすく、一方、売主側は、そうして入札を受けた中から一番高値をつけた不動産会社と売買の条件について交渉できるようになっています。

「できるだけ早く売却したい」という方だけでなく、「できるだけ高く売却したい」と考えている方にもインスぺ買取を選ぶことでそれらを実現しやすい仕組みとなっているといえるでしょう。

まとめ

ホームステージングについて、その概要やメリット・デメリット、注意点などお伝えしました。

ホームステージングは、中古物件をモデルルームのように見せることで、早期売却や高値売却につなげる効果を期待できますが、場合によってはそれらの期待が実現しないこともあります。

このため、ホームステージングを実施する際にはその費用対効果をよく見極めるのが重要です。

一方、無料でホームステージングを実施している不動産会社もあるため、そうした場合は積極的に利用すべきだといえます。

なお、ホームステージングはほとんどの場合「早期売却」や「高値売却」を目的に実施を検討するかと思いますが、売却する物件が戸建ての場合、インスぺ買取を利用することでそれらの目的を叶えられる可能性があります。

ホームステージングと合わせてインスぺ買取の利用も検討してみるとよいでしょう。

  1. 参考:TOP 5 REASONS TO STAGE YOUR HOME ホームステージングを行う5つの理由
  2. 参考:TOP 5 REASONS TO STAGE YOUR HOME ホームステージングを行う5つの理由
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