不動産(家)を相続した時の登記手続きガイド|必要書類・費用と流れを確認しよう

不動産(家)を相続した時の登記手続きガイド|必要書類・費用と流れを確認しよう不動産売却手続き
執筆者
逆瀬川勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。
保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士

家を相続した際、相続関係の手続きとは別に、登記上の名義も変更する必要があります。これを相続登記と呼びますが、相続登記にはどんな書類が必要で、どのような流れで手続きを進めるとよいのでしょうか。本記事では、相続登記について必要書類や手続きの流れ、登記費用などを解説していきます。

不動産を相続したらまずは名義変更(相続登記)しよう

遺産分割協議などの手続きを経て、不動産を相続することが決まったら、まずは名義変更登記することが大切です。この手続きのことを「相続登記」と呼びます。

相続登記は義務ではない

実は相続登記は義務ではありません。不動産を相続してから〇年以内に相続登記しないといけないという法令等もありません。

ただし、不動産を相続しても登記を済ませておかないと売却や贈与などをすることはできません。また、相続登記せずに放っておくと後々面倒になる可能性もあります。

相続登記をしないことで発生し得るトラブル

相続登記には相続人全員の書類が必要になることから、相続登記を済ませずに放っておいた間に、相続人のうちの誰かが亡くなってしまうと、さらにその相続人の書類が必要になってしまいます

相続後、数年~数十年放置してしまうと、関係者が数十人規模に膨れ上がってしまうこともあり、最終的に相続登記自体がほぼ不可能という状態になってしまう可能性もあるのです。

こうならないよう、相続後はすぐに登記するようにしましょう。

相続登記義務化の動きもある

なお、相続登記に義務がないことが所有者不明の土地が増えている原因の一つとなっており、以前から問題となっていました。そのため、土地の相続登記を義務化する動きも出ています1

現在は相続登記せずに放っておいてもペナルティなどありませんが、増え続ける空き家・放置物件への対策として今後、相続登記が義務化される可能性もあるでしょう。そうなれば、相続登記をしていないことで罰金などが科される可能性も考えられます。

家を相続した時の登記手続き

家を相続した後の登記手続きに関しては、司法書士に登記を代行してもらうこともできます。その場合、司法書士から伝えられた必要書類を用意して渡せば手続きは終了です。

一方、司法書士に登記を依頼すると司法書士報酬を支払う必要があるため、自分で登記手続きすると判断することもあるでしょう。

その場合、以下のように手続きを進めていく必要があります。

  1. 遺産分割協議書を作成する
  2. 必要書類を取得する
  3. 登記申請書を作成する
  4. 法務局で登記申請する

それぞれの手続きについて詳しく見ていきましょう。

遺産分割協議書を作成する

相続開始後、相続人全員で相続財産をどのように分けるか遺産分割協議で話し合った内容は遺産分割協議書として残しておく必要があります。また、遺産分割協議書は相続登記の際に必要な書類となります。

遺産分割協議書の書き方には決まりがあるわけではありませんが、相続登記の際に法務局に無効と判断されれば相続登記は完了しません。

必要書類を取得する

まずは相続登記に必要な書類を取得しましょう。相続登記の必要書類には法務局で取得する必要のある登記事項証明書や、役所で取得する必要のある住民票、戸籍謄本などがあります。

法務局や市役所は平日しか空いていないため、休みを取るなどして計画的に書類を取得する必要があるでしょう。ちなみに、生まれてから亡くなるまでの間に何回も引っ越しているような場合には日本全国から戸籍を集める必要があります。

また、相続人全員の戸籍謄本や印鑑証明書も必要になるため注意しましょう。

登記申請書を作成する

法務局で受け取れる登記申請書に必要事項を記入します。内容に関して分からない箇所があれば法務局の窓口で聞きながら記入を進めることもできます。

法務局で登記申請する

作成した登記申請書、用意した必要書類、遺産分割協議書、登録免許税分の現金を用意したら、法務局の窓口で登記申請しましょう

その場では簡単なチェックで受理してもらえますが、間違いがあれば後日法務局から連絡が来て、法務局に書類を受け取りに行く必要があります。

修正も済んで、相続登記が完了したら、登記識別情報の発行を受けることができます。

以上で相続登記の手続きは終了です。

相続登記の必要書類

相続登記の必要書類には以下のようなものがあります。

  • 対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 対象不動産の固定資産評価証明書
  • 被相続人(亡くなった方)の住民票除票
  • 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 相続人の住民票
  • 遺産分割協議書

それぞれについて詳しく見ていきます。

対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)

相続する不動産の登記事項証明書は法務局で取得できます。

対象不動産の固定資産評価証明書

固定資産評価証明書は相続登記の登録免許税の計算に用いられ、役所で取得できます。

被相続人(亡くなった方)の住民票除票

被相続人(亡くなった方)が亡くなったことを証明する書類で、役所で取得できます。

被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本

被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本が必要です。生前に何回も引っ越しているような場合は、それぞれの役所から戸籍を集める必要があります。また、生まれたのが大正や明治時代であればその時代の戸籍謄本も集めなければなりません。

相続人全員の戸籍謄本

相続人全員の戸籍謄本です。相続人それぞれの住所地の役所で取得する必要があります。

相続人全員の印鑑証明書

相続人全員の印鑑証明書についても、相続人それぞれの住所地の役所で取得する必要があります。

なお、役所に届け出た印鑑(実印)は遺産分割協議書に押印しなければなりません。

相続人の住民票

不動産を相続することが決まった登記名義人の住民票が必要です。役所で取得しましょう。

遺産分割協議書を作成する

相続財産をどのように分けるか話し合った遺産分割協議の結果をまとめた遺産分割協議書も相続登記の際に提出する必要があります。

家を相続した時の登記費用

相続登記の費用は、司法書士に登記を依頼するのと、自分で登記するのとで費用が変わります。具体的には、自分で登記する際には相続登記に必要な登録免許税だけで済みますが、司法書士に依頼する際には登録免許税に加えて司法書士報酬を支払う必要があります

相続登記に必要な登録免許税

相続登記に必要な登録免許税は、以下の計算式で求められます。

相続する不動産の固定資産税評価額×0.4%

例えば、相続する不動産の固定資産税評価額が1,000万円の場合、1,000万円×0.4%=4万円となります。

固定資産税評価額については、固定資産評価証明書で確認できます。

相続登記に必要な司法書士報酬の相場

相続登記を司法書士に依頼した場合、司法書士に対して司法書士報酬を支払う必要があります。司法書士報酬は依頼する司法書士によって金額が変わりますが、一般的な相場は5~10万円となっています。

なお、司法書士に不動産登記費用を支払う際は、登録免許税と司法書士報酬を合わせて支払います。

相続手続きはやることが多いので計画的に

以上、相続登記の流れや必要書類、登記費用についてお伝えしました。

親族が亡くなった後は何かと忙しく、手間もお金もかかる相続登記は後回しになりがちですが、のちのち必要になった時に問題とならないよう、できるだけ早いタイミングで手続きしておくことをおすすめします

手間を惜しむのであれば司法書士に登記を依頼すればすぐに手続きが済みますが、費用がかかってしまいます。相続登記については自分で手続きすることもできるので、手間を取るかお金を取るかで選ぶとよいでしょう。

  1. 参考:日経新聞:2019年2月8日「土地の相続登記を義務化 所有者不明問題で法改正へ」
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