住宅ローンが残ってる家は売却できる?手続きや住み替えローンについて解説

不動産売却手続き
執筆者
逆瀬川勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。
保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士

現在、住宅ローンの残った家に住んでいる方の中には「住宅ローンが残っている家は売却できない」と聞いたことのある方もいらっしゃることでしょう。

「住宅ローンが残っている家は売却できない」ということは、原則として正しいです。

しかし、任意売却を利用したり、住み替えローンを利用したりするなどの例外もあります。

本記事では、住宅ローンが残った家を売却しなければならない方に向けて、なぜ売却できないのかといった仕組みの解説等するとともに、3つの解決策をご紹介していきます。

<原則>住宅ローンが残っていると家は売却できない

原則として住宅ローンが残っていると家を売却することはできません。

原則があれば例外がある…のですが、まずは、なぜ住宅ローンが残っていると家を売却できないのか、その仕組みから見ていきましょう。

家を売却するには抵当権を抹消する必要がある

住宅ローンの残債があると家を売却できない理由は、住宅ローンを組んだときに、購入した家に対して抵当権を設定しているからです。

抵当権とは、債権(この場合、住宅ローン)が債務不履行となったときに、債権者(この場合、住宅ローンを融資した銀行)が優先的に弁済を受けることのできる権利のことで、簡単に表現すると、「購入した家を担保に取る」ことです。

住宅ローンを借りた人が住宅ローンを滞納した場合、銀行は抵当権を設定した家を差し押さえして競売にかけ、ローンの残債を回収するのです。

抵当権は、基本的に住宅ローンを完済しなければ抹消できません。

このことから、家を売却するときには、「すでに抵当権を抹消している」か、「家を売却した代金(+手持ち資金)とで住宅ローンを完済し、売却と同時に抵当権を抹消」できなければ、そもそも家を売却することができないのです。

離婚や転職で問題が浮き彫りになることがある

離婚や転職を理由として、突然家の売却を考えなければならなくなることがあります。

離婚を理由とした売却では、家を売却して得た代金を夫婦で分ける方法が取られることがありますし、転職では家を売却して転居先で新しい家を購入することがあるでしょう。

しかし、いざ家を売却しようと思ったときに、家を売却しても住宅ローンの残債を完済できない…という問題が浮き彫りになることがあります。

実際、新築住宅は購入してすぐに2~3割程家の価値が落ちますし、住宅ローンで「元利均等返済」を選択している場合、借入してすぐは元金の減りが遅いといったこともあり、住宅の売却価格より住宅ローンの残債が多いことはよくあることです。

こうしたとき、なんとかして家を売却する方法はあるのでしょうか?

<例外>住宅ローンが残っていても家を売却する3つの方法

原則として、住宅ローン残っている家は売却できませんが、以下のような方法を選ぶことで住宅ローンが残っている家でも売却が可能となります。

  • 売却代金と手持ち資金で完済する
  • 任意売却する
  • 住み替えローンを利用する

売却代金と手持ち資金で完済する

 

まずは、家を売却した代金と、手持ち資金とを合計して住宅ローンの残債を完済できるのであれば、問題は解決します。

例えば、住宅ローンの残債が3,000万円、家の売却価格が2,500万円だったとしても、手持ち資金で不足分の500万円を支払えるのであれば、売却と同時に抵当権を抹消できます。

この方法では、家の売却には仲介手数料や登記費用、譲渡所得税などがかかるため、それらの支払い費用は手元に残しておかなければならない点に注意が必要です。

任意売却する

次に、抵当権は原則として住宅ローンを完済できないと抹消できないのですが、抵当権を設定した金融機関が納得すれば、住宅ローンを完済せずとも抵当権を抹消できます。

この方法で家を売却する方法を任意売却と呼びます。

任意売却で家を売却した後、残ったローンの残債については、金融機関と交渉の上、「月に3万円ずつ返済」などと条件を決めて返済していくことになります。

ただし、任意売却は一度住宅ローンを滞納してからしかできません。

このため、個人信用情報に滞納の履歴が残ってしまい、数年間はローンを借りるのが難しくなってしまいます。

住み替えローンを利用する

家を売却して、新居に住み替えしようと思っている場合、住み替え先の家のローンで、売却する家の住宅ローンの完済費用に充てることができます。

このローンのことを住み替えローンと呼びます。

例えば、3,000万円住宅ローンの残債があり、家を2,500万円で売却できる場合で、住み替え先として4,000万円の家を購入し、4,500万円の住み替えローンを組む、といった形です。

住み替えローンは、家の担保価値以上のお金を借りることになるため、審査が厳しい点には注意が必要です。

以下、住宅ローンの残債があっても家を売却できる3つの方法について、詳しく見ていきましょう。

売却代金と手持ち資金で完済する

まずは売却代金と手持ち資金で完済する方法を見ていきましょう。

オーバーローンとアンダーローン

住宅ローンに残債のある家を売却するときは、まずは家の売却代金と住宅ローンの残債どちらが大きいかを確認しましょう。

家の売却代金については、インスぺ買取を利用すると、「不動産会社の買取希望額」を聞けるため、「査定額より売却額が大きく下がった」といった心配をしなくてよいのでおすすめです。

査定の結果、家の売却価格より住宅ローンの残債が大きいことをアンダーローン、家の売却価格より住宅ローンの残債が小さいことをオーバーローンと呼びます。

  • アンダーローン:家の売却価格 > 住宅ローンの残債
  • オーバーローン:家の売却価格 < 住宅ローンの残債

アンダーローン:売却代金で完済する

アンダーローンの場合、家の売却代金でローンの残債を完済し、抵当権を抹消すれば問題はありません。

仲介手数料や譲渡所得税など、各種経費が必要なことは忘れないようにしましょう。

オーバーローン:売却代金と手持ち資金で完済する

オーバーローンの状態であっても、差額を現金で用意できるのであれば、アンダーローンと同様、家の売却代金でローンの残債を完済し、抵当権を抹消できます。

こちらのケースでも、経費分の資金を手元に残しておくことに留意しましょう。

オーバーローンで手持ち資金なし:原則として売却できない

一方、オーバーローンで差額分を手持ち資金から補填できない場合は、原則として家を売却できません。

この場合、次の任意売却や住み替えローンの利用を検討するとよいでしょう。

任意売却する

次に、任意売却について見ていきましょう。

任意売却とは

家の売却代金と手持ち資金とで住宅ローンの残債を完済できない場合、家を売却することができません。

こうしたときに、「金融機関と交渉して、住宅ローンの残債があっても家を売却できる」のが任意売却です。

家を売却して残ったローンの残債については、金融機関との間で返済条件を決めて返済していくことになります。

任意売却はローンを滞納していることが条件

ただし、任意売却は住宅ローンを滞納した後でなければ選べません。

このため、個人信用情報にローンを滞納した事実が登録され、以降数年間は新しくローンを借りるのが難しくなります。

なお、住宅ローンを滞納すると、半年から1年程で差し押さえ~競売となります。

任意売却を選ぶ場合、住宅ローンの滞納から競売までの間に手続きを済ませる必要がある点に注意が必要です。

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住み替えローンを利用する

最後に、住み替えローンについて見ていきましょう。

住み替えローンとは

住み替えローンとは、家を売却して住み替える際に利用するローンです。

単に住み替えるだけであれば、売却する家の住宅ローンを完済し、住み替え先の家で新しく住宅ローンを組めばよいだけですが、住み替えローンでは、売却する家の住宅ローンに残債があった場合、その残債分を借りることができるという特徴があります。

住み替えローンは審査が厳しい

しかし、住み替えローンは家の価値以上の融資を受けることになるため、審査が厳しくなります。

4,000万円の価値のある住宅購入に際し、売却した家の残債分500万円を完済するため、その分を上乗せして4,500万円分借りた場合、本来は4,000万円の価値しかない家に対し、4,500万円の融資をしていることになります。

銀行は、住宅ローンを貸すにあたって抵当権を設定して、これは借りた人がローンを滞納したときに家を差し押さえて売却し、残債の完済に充てるためです。

家の価値以上の融資をするということは、いざ家を差し押さえて売却したとしても、回収できる額が小さくなってしまいやすいです。

こうしたことから、住み替えローンでは一般的な住宅ローンと比べて、より「ローンを滞納しないかどうか」に対する審査が厳しく行われます。

手元に資金を残す目的で利用することもできる

住宅ローンの残債のある家を売却するためには、売却代金と手持ち資金とでローンを完済しなければなりません。

しかし、家の売却後のことも考えて、手持ち資金をあまり多くは支払いたくないという方もいらっしゃるでしょう。

住み替えローンは、手持ち資金を支払えば住宅ローンの残債を完済できるようなケースでも、住み替えローンで残債分を借り入れし、手元の資金は使わずに済ませることができます。

とはいえ、ローンの借入額が多くなると毎月返済額が大きくなってしまうことには十分注意しましょう。

住宅ローンの残債のある家を売却する際、インスぺ買取がおすすめな理由

住宅ローンの残債のある家を売却する際には、一括査定等を利用して不動産会社に査定を依頼するより、インスぺ買取を利用することをおすすめします。

査定額と売却価格の違いを理解しよう

一括査定等を利用して不動産会社に査定依頼をすると、不動産会社から「対象の家をおおむね3カ月以内で売却するとしたら、いくらで売却できるのか」という査定額の提示を受けることができます。

アンダーローンかオーバーローンか、またオーバーローンの場合にいくら手持ち資金を用意すればよいのかの判断は、基本的にこの査定額から導きだすことになります。

しかし、査定額はあくまでも不動産会社による予測であり、実際の売却価格(成約価格)ではありません。

実際には、「3,000万円の査定額だった家が2,500万円で契約となった」ということも起こりえるのです。

こうなると、アンダーローンだと考えていた売却でも手持ち資金から出費しなければならないこともありますし、また、売却額が安くなったことで必要となる資金が用意できなくなることもあるでしょう。

後者のケースでは、任意売却や住み替えローンを活用しなければそもそも家を売却できなくなってしまいます。

インスぺ買取とは

一方、インスぺ買取は仲介で買主を探す方法と異なり、以下の流れのように、家の買取を考えている住宅会社と直接条件交渉を行っていきます。

このため、仲介のように「査定額と売却価格(成約価格)が大きく異なる」といったことが起こりづらく、安心して売却を進めることができます。

戸建て住宅専門のサービスとはなりますが、住宅ローンの残債のある家を売却する際には、まずはインスぺ買取の利用を検討してみるとよいでしょう。

▼インスペ買取の詳細を見る

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まとめ

住宅ローンの残債のある家を売却するには、売却時に残債を完済できなければなりません。

例外として、任意売却という方法を選ぶこともできますが、これは実際に住宅ローンを滞納した後にしかできないため、個人信用情報に履歴が残ってしまいます。

一方、住み替えローンであれば、審査の承認を得られさえすれば、特に大きなデメリットもなく融資を受けることができます。

本記事でご紹介したような「住宅ローンの残債のせいで家を売却できない」問題で悩まれている方は、まずは住み替えローンの利用を検討するとよいでしょう。

なお、いずれのケースにおいても、売却する家が戸建住宅の場合は、まずはインスぺ買取を利用して家の売却価格を把握しておくと、「査定額と実際の売却額が大きくて困った」といった問題は起きにくくなるため、おすすめです。

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